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内部告発・内部通報 -その「光」と「影」- (守れるか企業の信用、どうなる通報者の権利) /山口 利昭 (著)



企業法務の方々なら大抵ご存知のはずの、「ビジネス法務の部屋」の山口先生の著書。blogを書籍化したものとは異なり、文体は固めだけど、内容は分り易い。内部告発とか内部通報は今自分がいる部署の担当ではない(別にガバナンス・内部統制等の部署があって、そっちが所管)のだが、知らない分野の話で興味があったのと、山口先生の著書ということもあって、買って読んでみたので感想をメモ。

文中の表現を借りて、無理やり短く表現すると、内容は、『効果的かつ効率的な内部通報制度や内部告発のための「内部通報・内部告発の取扱説明書」』というところだろう。取扱説明書と書くと、あたかも、通報・告発を受ける会社側の視点からのみ検討がなされているかのごとき印象を与えるかもしれないが、それに留まらず、通報・告発をする可能性のある従業員等の立場から見た場合の検討も行われている。実務の第一線で日々奮闘されている先生の著書だけに、様々な角度から、細かな点まで目配りがされている一方で(公表の要否や通報者の保護に関する話は実に細かい配慮が必要になる:そうしないと二次被害の原因になる)、不幸にして裁判に至ったケースも豊富に引用・検討されているので、まさに「取扱説明書」というにふさわしいものになっている(と感じた…もっとも業務経験のない人間が言っているだけだが)。
不勉強で知らなかったのだが、公益通報者保護法の保護範囲は、結構狭く、限定的なので、内部通報・内部告発がすべて公益通報者保護法の保護対象になるとは限らない(以下の図(を写真で撮ったもの)を参照:この整理が分り易い!)。そうだとすると、公益通報者保護法の隙間を埋め、かつ、外部に向けた内部告発に至らずに事態が収拾されることによる会社に対するダメージの軽減を図る、という意味で、内部統制が重要になってくることが理解できた。
20100825yamaguchi.jpg

もう一つ気になったのは、公益通報者保護法の今後の改正に関する話。特に、トナミ運輸事件の原告であり、実際に内部告発を行った結果報復人事により甚大な被害をうけた方による、現状の公益通報者保護法に関する問題提起は、当事者として闘ってこられただけに重みがあった。特に、人事行為による人権侵害を認定するのが難しいということと、裁判で闘うとしても時間がかかり、その間も嫌がらせが続き、結局企業側のやり得になる、という指摘は、氏のたどってきた経過がまさにその通りだっただけに、余計にそう思う。人事権の行使とのバランスをどのように取るか、しっかりとした検討を改正過程でしてもらいたいと思った次第。


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