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一山いくらの話

契約書の内容を検討していると、どうしても目の前にある契約書(のドラフト)のことばかり考えてしまうが、時として、見えていない、同種の契約書の存在を意識しないといけないことがある。

巨大メーカーが材料購入をするときに、購買約款を作るけど、いちいち個別のサプライヤーの事情、個別の取引の事情に応じて内容を変えていると、扱いが大変だから、変更に応じず、サプライヤー側は契約書単体で見れば、もっともな要求のはずなのに、要求を諦める羽目になるというようなケースなんかがそういう一例だろう。

部品メーカーにいるので、上記のサプライヤーのような立場に置かれることが多いし、そうなると、こちらで、相手から来た契約書を検討して、営業さんに返すときも、この辺りのことは念頭においておかないといけない。交渉力の問題で、要求しても無駄なことを強いても仕方がない。営業と相談のうえ(場合によっては製造側とも相談)、実害がなさそうな部分であれば、気になる理由を伝えて、リスクはあるけど、それが顕在化する確率が低いこと、ただし、厳然としてリスクはあること、を理解してもらったうえで、修正要求は引っ込める、という話にせざるを得ない。特に、僕の勤務先では法務のアドバイスを取るか取らないかは最終的には事業部門の判断となっているから、そういう話になる(コンプライアンス違反とかになるのであれば別だがそういう話になるようなケースはまずない)。
一番よく悩むのが、こちらの勤務先では製造の大半は日本国外にある工場でやっているが、諸般の理由で工場が現地法人、つまり、日本で営業している法人とは法律的には別法人ということになっている。日本で営業している法人が取引基本契約を締結して、納入責任を負う場合に、その契約書の中に、本契約に基づく権利義務の一部を第三者に譲渡してはいけない、とあって、違反が契約解除事由に入っていたりすることがよくある。
(後記:再委託禁止の条項に触れるという方が適切だった。失礼しました。なお、契約条項の違反については、契約解除事由に入っていることがあるので、結論は大きく変わらないものと考えます。コメントいただいた通りすがり様、ありがとうございました。)

単なる物売りなら、別に構わないが、先方仕様の製造委託契約だったりすると、契約した途端に契約違反をするという事態になる。ついでに秘密保持義務があるような情報についても、関連会社や関係下請けに開示可能とか書いていないとそこにも違反とかいう話になる。もちろん、いちいち先方にその点につき書面で承諾を取ればよいのだが、相手によってはそれが簡単な話でなかったりする。相手方が口頭では気にしないと言っていても、担当者が変わったりした後で、こちらとの契約を解除するための口実に、この部分が使われたりする可能性は否定し切れない。この種の事例では、きちんとドラフトされた契約案の場合が多く、ご丁寧にwaiver clauseもあるのが通常なので、仮に一度ならずともお目こぼしがあっても、それに依存できるわけもない。

正直こういうケースが多いが、いつもどこまで指摘する意味があるのか、悩む。直近では実害があるとは思えないことが多いだけに余計に悩ましい。

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確かにそうですね。

通りすがり様
コメントをありがとうございました。確かに変ですね。確かに持ち出すのであれば再委託禁止の条項の方が適切でした。追記しておきます。失礼しました。

再委託?

現地法人をどのように使用しているのか定かではありませんが、再委託の禁止条項ではなく、権利義務の譲渡禁止条項に触れるとの構成には、若干違和感があります。
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