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BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2010年 09月号



例によって、気になった記事について五月雨式に感想をば。

Book in Bookで「グローバルリスクハンドブック」なるものがついている。内容はTMIの宣伝が殆ど。お付き合いしたことがないのでこの事務所について兎や角言う資格はないが、こういうのを弁護士事務所もやるようになったのは面白いと思った一方で、BLJの立ち位置でこれをやるのがプラスに働くのか、疑問なしでもない。

ついでに言うとグローバルリスク対応で、海外に提携先のある国内の事務所に頼むのと、海外大手事務所の日本のオフィス(ただし、単に人がいるだけではなく、それなりの日本でのLicenseのある弁護士さんがいるところ)に頼むのとを比較して、前者に頼むメリットは何なのか、日本法が絡むからというなら、後者の事務所で日本でのLicenseのある弁護士さんに頼んだほうがいいのではなかろうか、同じファームの中にあるのと、あくまでも提携先というのと、特に利益相反の問題が絡んできたときには、後者の方がよりよい選択なのではないかという気がしたし、この記事からはそれでもなお、TMIみたいなところを選ぶという理由は、僕には見えなかった(特定の弁護士さんに依頼したいが故に結果的にTMIに頼むということはありそうな気はするが)。
弁護士の採用・出向事情については、興味深い反面、もともとよく検討したうえで実施され、運用されているからか、特に問題が生じていないようで、どこまで記載通りに受け取っていいのか、という気がしなくもない。企業側、弁護士事務所・弁護士側双方にメリットがあるのは分かるが、デメリットがないとも思えない。その辺の対応の仕方があまり前面に出てきていないように思われた。

社内規程の整備・再構築の特集は、今の勤務先で色々あって(詳細は略)参考になることが多い。ただ、あくまでも、トップの意思が後押ししれくれないと実施主体の動きが取れなくなる可能性が高いということを改めて感じた。特に、規定に書き過ぎたが故に、柔軟な組織再編等に対応しにくくなるケースは、今後よく問題になるんだろうな、と感じた次第。

米国訴訟のハンドリングの記事は、関連するエントリをいくつか書いているように、興味のあるエリアなので、記事は興味深く読ませてもらった。どうでも良いけど、平野教授は企業法務で働いていた時の経験を基に話されているのか、よく分からなかったし、杉江さんは、前職での経験と書かれているがせめて業種くらいは明らかにしておいて欲しかった(確かケンウッドではなかったかと)。どの業種での経験を基に話をされているのか分かると読者側も話(およびその前提も)を理解しやすいのではなかろうか。
個人的には警告状の初期対応の話が特に興味深かった。パナソニックの話は、対応体制が整っていることが羨ましい一方で整ってしまうくらいに事件があるというのは大変だなとしか思えなかった。

提携契約の実務は、なるほどなあ、という感じ。実際のケースでは、もっと色々ひねりが入るのだろうが、経験したことがない分野について、この水準で、典型的な交渉の進め方および契約書の文言例を一通り抑えられると勉強になるんだろう。

内部通報制度の活用の記事は、経験がない分野の話で興味深かった。匿名通報への対処についての考察は特に興味深かった。微妙なバランスのうえに制度が成り立つことを改めて実感。

タックスマインドの記事は、よく問題になりそうな話を取り上げているけど、以前の回に比べて、難易度が高くなっているような気がした。この内容なら、もっと具体的な数字を上げて説明をしてもらったほうが、たとえ、細かい点についてまで理解することを意図せず、税務リスクに対する嗅覚を養うという連載の目的との関係でもより有用な記事になったのではなかったかと思う。

特許の虚偽表示に関する記事は、あちらを立てればこちらが立たず、という感じで、面倒な話だな、というのが正直な感想。きちんとした方針に基づき管理を行ない、タイムリーに表示が変更できるよう体制を整えればいいのだろうが、製品数が多いとそれを管理するのも大変なので、その辺りをどうやるかというのが難しい。まあ、今の勤務先は部品メーカーでBtoBビジネスしかしていないので、公衆を欺く意図があったという話にはなりにくく、従って期限切れ特許の表示が虚偽表示として問題になる確率は相対的には低いのではないかと思っているが…。

損害軽減義務の話は、正直、難しくて、どこまで理解できたのか心許ない感じがする。何らかの形で債権法改正案に盛り込まれるにしても、指摘があったように、文言上の明確化が図られないと、事態を混乱させるということだけは理解できた。実務としては、必要な際には、なるべく細かく義務を記載しておくほうが安全なんだろう。取引基本契約上も見直しが必要ということになるわけで…。

Legal Thinkingの事例は面白いけど、アドバイスの内容を受けて、名目上役員になっている人間の選任の過程なんて、外部の人間がどうやって調べられるのだろうかという素朴なギモンが残った。特に、当該役員に対して責任追及できるかどうかを調べる目的で情報を取るというのが、どこまで出来るのだろうか?というところが気になった。


最後に例によって、本家から目次の引用。

[特集] 過不足・重複・不整合? 社内規程の整備・再構築
見直し成功のための基本的な考え方と手順

笹本雄司郎 マコル 取締役 代表コンサルタント
[Case Study] 

Case1 上場を目指してほぼゼロから23規程を作成  コンサルティング

Case2 名ばかり規程約30本を意思決定システムを軸に再整備  情報・通信


元 出向弁護士の視点

浅尾裕美 弁護士
内部統制システムに則った整理・改善のHOW-TO

行方洋一 弁護士
現場への落とし込み・周知徹底を図る3つの方策

中村克己 弁護士
就業規則を見直すためのアプローチ

丸尾拓養 弁護士

[特別企画] 経験者から学ぶ 米国訴訟のハンドリング
法務が担うべき「翻訳」とは

経営者・現地弁護士のミスコミュニケーション解消

加藤幹之 米国弁護士 元・富士通 法務・知的財産権本部長
知的財産権侵害警告を受けたら…

初期対応の確認事項

杉江 武 神鋼商事 総務部 審査チーム 次長
劇場型陪審裁判がカギ

PL訴訟という“ゲーム”に勝つために

平野 晋 中央大学総合政策学部教授・米国弁護士
訴訟対策室で弁護士との橋渡し役に

PL・労働・知財訴訟の心構え

西村千里 パナソニック電工 知的財産部 知財渉外グループ 副理事(海外係争担当)
米国民事訴訟制度のポイント

吉田大助 米国弁護士

[Focus] 企業内弁護士の導入 ~新人弁護士の採用、法律事務所からの出向
現役企業内弁護士から見た 弁護士の採用・出向

片岡詳子 日本組織内弁護士協会理事長・弁護士
新人弁護士の採用動向

岡田理樹 日本弁護士連合会事務次長・弁護士 / 伊東 卓 前事務次長・弁護士
経験弁護士よりも「新人」をポテンシャル採用

池辺吉博 丸紅 法務部長 / 林 映理子 / 石山誠也
経験弁護士の企業出向

法律事務所からの出向アプローチが増える?
法律事務所の視点から見た経験弁護士の出向

森・濱田松本法律事務所
北浜法律事務所・外国法共同事業
フレッシュフィールズブルックハウスデリンガー法律事務所
外国法共同事業・ジョーンズ・デイ法律事務所
田辺総合法律事務所
[徹底マスター 契約実務] シチュエーション別 提携契約の実務6
企業買収(株式売買②)

[監修] 淵邊善彦 弁護士
柏 健吾 弁護士
近藤圭介 弁護士

OPINION
法と交渉 弁護士のコアスキルとしての交渉力

太田勝造 東京大学法学部教授

Inside Story
参院選と会社法改正

三宅伸吾 日本経済新聞社 編集委員

連載
実務解説

外部への告発を防げ!~内部通報制度の活用
三谷和歌子 弁護士
いじめない、いじめられない!下請法違反の境界線

返品可能期間の判断が難しい「返品の禁止」
玉木昭久 弁護士
広告審査のOKライン

健康食品の広告表示
高橋善樹 弁護士・弁理士
企業会計法Current Topics

IFRSをめぐるSEC声明
弥永真生 筑波大学大学院教授
法務担当者のタックスマインド

「ジョイントベンチャー(合弁契約)」の現場
加本 亘 弁護士
プラクティカル英文契約講座

「ウィーン売買条約」発効後の国際契約の条項はどう書くべきか?(4)
長谷川俊明 弁護士
Global Legal Headlines

虚偽特許表示の回避
ロバート・J・ホリングスヘッド 米国弁護士・外国法事務弁護士
楊 傑翔 米国弁護士 / 須田洋之 弁理士
Global Business Law Seminar

債権法改正における債権者の損害軽減義務
三木千穂 静岡英和学院大学専任講師
リーガル・テクノロジーの潮流

・第9回 クラウド・コンピューティングと法務・知財部の仕事
Ji2
・法務・知財部のためのキーワード検索
法務相談スッキリ解決!Legal Thinking

取引先の取締役に対する責任追及 ─登記簿上の取締役─
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