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Eisai Ltd. v. Dr. Reddy's Laboratories, Inc., 406 F. Supp. 2d 341 - Dist. Court, SD

googleで検索したら出てきた裁判例の紹介(新しくも何ともないが)というか、メモ。またもやattorney-client privilege(AC)が弁護士でない人に対してどう適用されるのか、という点についてのもの。今度は日本の弁理士さんが対象になったケース。結論としては、日本の弁理士さんへのACの適用を認めている。

事案は、特許侵害訴訟において、ACの適用を理由にエーザイ側が書類を提出しなかったのに対して、相手方が提出命令を申立てたというもの。担当を割り振られたMagistrateは、ACの適用を認め、それに対して相手方がDistrict courtにAppealしたけど、ここでもACの適用が認められた。

Magistrateの判断は、弁理士について日本法の上でprevilegeが認められている(民訴法220条4項等)こと、および、comityにより、ACの適用を認めるべきということ。ちなみにcomityの定義は英米法辞典(東京大学出版会)によれば次のとおり。

comity 礼譲 権利の問題としてではなく,好意や,外国または他州の判断に対する尊敬に基づいて行為がなされ, 措置がとられるときに用いられる言葉.ある国の判決が他国で承認されることの根拠が,拘束力ある法的準則ではなく,comityに求めれることがある。


本件ではMagistrateが行った判断についての異議申し立てで、この場合の判断基準は"clearly erroneous or contrary to law"かどうか、ということとなる(Fed.R.Civ.P. 72(a))。そのうえで、日本の弁理士(クライアントを代理して、知財権取得のための特許庁に対する手続を行ったり、知財権のライセンス契約についてクライアントに助言したり、知財訴訟において弁護士をサポートするとされている。)との間でやり取りした文書についてACの適用を認めるべきか、ということについて、上記の判断基準に照らして問題ないかどうかを判断している。

相手方は日本法上、弁理士にある種の特権が認められていることは認めつつも、アメリカで認められているACとは異なるものであり、かつ、他の国で認められている特権がアメリカでACとして認められるためには、アメリカでのACとの差異の検討が必要であり、Magistrateは十分な検討をしていないので、原判断には誤りがあるとしている。そのうえで、いくつかの差異を指摘している。

本件の裁判所は、この議論に対しては、そもそもアメリカ内部でもACについてはバラツキがあるし、彼我の差異を検討した上でACとして認めるかどうか、というのは、comityの考え方に反するとして、問題とすべきは、当該他の国(本件では日本)で特権が認められているかどうかが重要であり、認められているのであれば、差異については問題ではないとしている(一応それぞれについて検討して、相手方の議論を採用していないが)。


...してみると、comityという権利ではないものに基づいている議論に反論する際に、権利の有無を問題にするような反論はそもそも筋の立て方が宜しくなかったということなんだろう。

こういう議論の立て方だと、日本の弁理士さんについては、日本法上一定の権利が認められていることは動かない(明文にあるから)分だけ、議論しやすいような気がする。ただし、前にも書いたように、議論の仕方がいくつもあるなかで、この枠組で議論ができるかどうか、それ自体に疑問符が付くところが問題だろうけど。また、この議論の仕方だと、有資格者ではない知財部とか法務の人が社内の事業部門の人と相談等した内容については、ACを認めないという方向に働きかねないので、そちらについては別の論理立て(前にネタにしたremyのケースのような形になるのだろう)をすることが必要になると思われる。






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