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取引基本契約書の有利な交わし方―売主が買主に勝つための交渉ガイド / 河合 正二 (著)



企業法務担当者のビジネスキャリア術や、総務&法務担当の部屋、で紹介されていたのと、何より勤務先にあったのとで読んでみた。

取引基本契約書に関する本と言うと、滝川先生の本(気がつくと第3版になっている)が有名だが、あの本は結構分量もあるし、レベルの高い話までカバーされている一方で、こちらは、同じデンソーの法務部の方(現在は関連会社で法務をされているようだが)でも、営業経験のある方が書かれた本で、的を絞って、滝川先生の本に比べれば少なめの分量にして、文字ばかりではなく図解も適宜用いているので、頑張れば営業の人でも読んでもらえるのではないかという程度に収まっている(これでも多いといわれそうだけど)ような気がする。

内容は、メーカーとして、売主となる場合に、買主側から提示された取引基本契約書について、どのような点が問題になって、それにどう対応していくか、ということに絞って書かれている。問題点について、その所在、対案、対案についての交渉担当者への説明、相手方への説明(社内向けと相手方向けとの説明の差異もなかなか面白い)、という順序で書かれていて、契約法務初心者には、これを手元に置きながら契約審査をすると良いのではないだろうか。また、買主側提示案と、売主側案が全文比較可能な形で掲載されているので、それを逐一比較しながら解説を読むとより一層勉強になると思う。


個人的には、まず、売主側の取引基本契約に対するニーズを次の4つに分類しているのが、印象的だった。言われてみればなるほど、そうか、というところ。
1.納入品の代金の確実な保全・回収
2.納入品に不具合などがあった場合に買主に対して負担する補償責任の軽減。
3.納入品に関する知的財産権などの権利保護
4.できる限り自由な営業活動の保護

次に、取引基本契約について、買主側が修正に応じないときに、別途覚書を締結するというだけではなく、覚書の締結も拒否された場合の対応として、解釈・運用に関してこちらからレターを出して、書面での確認を取っておくというのは、実際にどこまで実効性があるのかは、自分でやったことがないから分からないとしても、アイデアとしてはなるほど、というところだった。

ただ、気になったのは、売主側から買主側に条項の修正提案をする際の理由付けとして「当事者の公平」を頻繁に使っているのだけど、この理由付けは、どの程度効くのか、疑問が残るような気がする。個人的には、他に適当な理屈が思いつかない時に使ったことがあるけど、それが通ったという記憶がない。相手方との力関係で弱いときに持ち出しても、「それがどうした」と言われて終わるだけのような気がする。相手方がこちらとの公平な関係を維持する必要があると考えていないと、理由付けとしては使えないのではないだろうかと思う。


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