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日本企業のための米国民事訴訟対策 /関戸麦



アメリカで訴えられる可能性のある日本企業の法務部門には、置いておいて損のない一冊、というのが全体の印象。NBLでの連載から、大幅に加筆およびupdateしたもので、元の連載もかなり良いと思ったのだけど、更に進化しています。

日本企業にとっては、アメリカでの訴訟は避けがたい面があるうえに、どう転んでも負担が大きいのも事実。そんな中、そもそも訴訟を避ける手はないのか、仮に訴訟になるにしても、如何に不利なところで闘わないか、闘うことになったとしても、ディスカバリーをどうやるか、その中で守秘特権などを如何に使うか、トライアルはどのように避けるか、やる場合にはどうやるか、というような点を、この本では分り易く解説してくれている。日本とはまったく異なるルール、時間軸で闘うことを余儀なくされる法務担当者にとっては心強い助けになるはず。

類書との比較という意味では、前に紹介した、モリソン・フォースターから出ている本よりも更に実務的な解説が詳しい。アメリカでの訴訟が日常になっている企業であれば、ここで解説されているようなことは、殊更に本で学ぶ必要はないのかもしれませんが、そうでない企業の担当者にとっては、いつ来るかもしれない訴訟への備えとして、良い本だと思います。


個人的にはアメリカでの訴訟の経験が若干あるので、その経験と照らし合わせながら読んだのだけど、なるほど、と思うところが多かったし、書証と人証に対する日米の感覚の差異など、随所に挟まれた著者の感覚的な評価も有益だと思う。こういうのは、事務所の名前では書けないだろうから、単著にしたことのメリットなんだろう。

訴訟を遂行しながら実感したのが、訴訟がビジネスの一貫として社会の中で定着していることと、訴訟を取り巻くさまざまなビジネスの裾野の広さ。後者については、本書においてもディスカバリーにおけるベンダーとか、影の陪審とか、原告側弁護士(特にクラスアクションをやるような)とかからも実感できるところ。

更に何かを望むとすれば、conflictを含めた弁護士事務所の選び方についての記載が欲しいところ。ただ、この辺りは、事務所で受任する側だと書くのは難しいところだろう(これらの点については、senri4000さんがそのうちに何か書いてくれるはず…)。また、この本を教材にしてアメリカ訴訟対応についての研修をすることを考えると、それぞれの手続のところで、実際の書式例や写真/映像とかがあると訴訟をリアルに体感できるのではないかと思う。そういう研修があれば受けたいのだが…。

最後にamazonから目次の引用

米国民事訴訟に関する基礎知識
訴状を受け取った後の初期対応
米国民事訴訟の回避
米国内の原告有利といわれる裁判所の回避
ディスカバリー
ディスカバリーにおける秘密の保護
専門家証人の確保と活用
トライアルの回避
トライアル
評決から判決まで
上訴
クラスアクション

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