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やらない理由(わけ)

いつになく、思いつきというか、どうでもいいことなのだが、気になったので、メモ。

Attorney@Penn Lawでの記事。
強制執行停止決定のプラクティス

内容は直にあたっていただくとして、気になったのは、次の一節。内容に異議があるというわけではない。

ちなみに、企業法務に携わる弁護士も契約書のレビュー時には、解除事由や期限の利益喪失事由の仮差押えや差押えについては、14日以内に停止・取消があったときはこの限りでないと但書きを入れるべきである。


確かにそのとおり、と思う(文中で出てくる様々な申立の手続のスピード感の不公平さを知ると余計に)のだけど、その一方で、僕自身は、契約書のドラフトに対して、そういうコメントをしたほうが良いのではないかと思ったことがあるけど、結局そういうことをしたことはない。それに、こちらが作ったドラフトに対してそういう修正案を受け取ったこともない。さらに言えば、この条項が発動されて、仮処分を受けたことにより契約解除になった例も、記憶している限りでは、聞いたことも見たこともない。


この種の条項は、契約解除に関する条項の一つとして、次のような感じで出てくるのが一般的ではないかと思う(社団法人日本金型工業会のものから引用)。

第21条 (契約の解除)
1 甲又は乙は、相手方が次の各号の一に該当したときは、何かの催告なしに、この基本
契約及び個別契約の全部又は一部を解除することができるものとする。
① 手形、小切手を不渡りとしたとき。
② 支払停止、支払不能となったとき。
③ 監督官庁より営業停止の取消、停止等の処分を受けたとき。
④ 第三者から仮差押、仮処分、強制執行、租税滞納処分等を受けたとき。
⑤ 破産の申立て、商法上の整理開始の申立て、特別清算開始の申立て、民事再生
の申立て及び会社更生手続開始の申立てを受け、または自ら申し立てたとき。
⑥ 甲又は乙が解散の決議をし、又は他の会社と合併したとき。
2 甲又は乙は、相手方がこの基本契約又は個別契約に違反したときは、書面をもって契
約の履行を催告し、 日を経過しても契約が履行されないときは、この基本契約及び個
別契約の全部又は一部を解除することができるものとする。
3 甲又は乙は、災害その他やむを得ない理由により契約の履行が困難と認めたときは、
相手方と協議の上、この基本契約及び個別契約の全部又は一部を解除することができるも
のとする。

上記のようなケースで考えると、仮処分とかの申立により解除権行使が可能になることを避けたとしても、その他の理由でいずれにしても解除権行使が可能になると考えられるケースでなければ、つまりは、信用不安が様々な形で生じているような状況下でなければ、そもそも解除権を行使しようとは相手方は考えないのではないか。仮処分を受けたら、その時点で上記のような解除条項において、解除権行使は可能となるとしても、解除権があるのと、その解除権を行使する必要があると考えるかどうかというと別の話で、その辺りまで睨むと、特にそこまでしなくてもいいのかな、という気にはなってくる(自社がそれなりの大きさとかであると、特に…法務の担当者を専任でおくような企業であれば特にそうかもしれない。僕の勤務先も含めて)。

それと、hibiya_attorneyさんが気にされていたような、最終的に執行停止になるにしても、停止までの間に、銀行との関係で信用低下が起こってクリティカルな事態になるような企業だと、正直、このあたりまで気が回らないのかもしれない。それより先に気にすべきことはいくらでもあると考えたとしてもおかしな話ではないから。

とはいうものの、昨今の万事不安定な状況下で、そういう、ある種の仮定、がいつまで妥当するかは、わかったものではない。どうしたものか、考え直してみたいと思う。

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どこまでやるかって話?

kataさん、いつもどうもです。
確かに、よく考えると?な条項は一般条項にありがちですよね。実害がないから問題になっていないだけというケースが大半なんでしょうけど。
そこまで緻密に考えていると仕事が回らないとか、そこまで相手と交渉していると相手に怒られるとか、理由はいろいろ考えられますけどね。

それでは。

No title

この話、僕も以前顧問弁護士に疑問をぶつけたことがありましたが、その時の回答は「うーん・・・確かにまぁ・・・仮処分で解除というのは・・・まぁ・・・信用不安が無ければ権利濫用では・・・うーん」的な、煮え切らないこと富士山頂の如しのような回答でした。
これ以外にも、一般条項には、開発委託契約における権利の譲渡禁止条項(譲渡させたはずの知財を自由にコントロールできなくなる)とか、反社会的勢力が株主になったら解除される解除条項とか、実務に照らすと「?」な条項が潜んでいることがありますよね~
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