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「なるほど図解 IFRSのしくみ」/あずさ監査法人IFRS本部 (編集)



「黒船が来た」という感じのIFRS。なんだか経理の人は大変そうという程度の認識だったのだが、僕のような企業の法務の人間の仕事にどういう影響が出るのか、ということが知りたくて本屋で本を物色して、とりあえず選んだのがこの本。類書の中で特にこの本が良いかと言われると不明。監査法人が書いているので、ニュートラルに書かれているのかも正直よく分からない。ともあれ、原典の該当箇所がどこか示されている分はましだろうという程度の判断。

会計の知識がある人を前提にしているので、その辺りが怪しい僕のような人間には、読みやすくはなかったし、どこまで理解できているのか心許ない。ただ、図が多くてイメージしやすいように配慮している点や、見開きで一テーマとして、表題の脇に見開きの要約を一言でしている点は評価しても良いのではないかと思う。

肝心の法務(特に契約法務・紛争対応法務のあたり)の実務にどのような影響をおよぼすのかは、今ひとつ分からなかった。商事法務の連載も読むつもりだが…。

少なくとも、偶発債務の認識との関係では、訴訟などのrisk exposureについては、何らかの形で財務諸表に反映(債務として認識する、または、開示する)するのかどうかは要検討なんだろう。ただ、訴訟などの場合、帰趨を予測するのは困難なのが通常だろうから、財務諸表への注記などの形で開示する形に留まるケースが多くなるのかもしれない。

あと無形資産の会計処理の差異は、M&Aや研究開発に関する法務で多少影響が出るのではないか、とか、リース会計との関係では、リースの定義が常識的な定義よりも広めになっているようなので、その辺りも注意が必要そう…というようなことはわかったけど、具体的なイメージまではよく分からなかった。物品売買についての収益認識時点との関係では、債権保全のために、代金完済まで所有権留保とかやっていると、その分収益認識が遅れそうとか、それ以外も色々影響はあるはずだが、よく分からなかった。無念。

読んでいて思ったのは、IFRSは、考え方だけを示して、実際のところは、企業側で考えて、後で問題になったらそれを説明するという作りになっているので、事後的に会計処理が問題とされるリスクが高いのではないかと思う。個別事情を勘案しやすくなるというメリットはあるのかもしれないが、怪しげな処理が横行するリスクと天秤にかけて、どっちが良いのか良く分からない。

読んでいて一番分からないのは、そもそも何でIFRSを導入しないといけないのか、というところ。強制されているから、というのは、答えになっているようで、問いが、何でそんなことを強制するのか、ということにすり替わるだけのように思う。「世界標準」「比較可能性」ということが鍵になっているようだが、細かいところで、解釈の幅が広がっていそうなので、どこまで比較可能性が出てくるのか見えないように思うし、それにもかかわらず相当の手間をかける価値が本当にあるのか、正直なところ、疑問を禁じ得ない。まあ、会計事務所の本だから、その辺について、まともな議論がされることを期待するのは見当違いなのかもしれないけど。どうも「 」書きしたキーワードに無批判に踊らされているのではないかと思ってしまう。

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