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RAP/Rule Against Perpetuity

#どこのカテゴリーに放り込むか悩んだが、ここが妥当だろう、と判断した。

RAPと言っても、ラップではない。ましてやハゲラップでもない(強引)

悪名高き?Rule Against Perpetuityがネタである。LLMの学生さんであの科目を取る奇特な方か、NYBarの受験で関心を持ったこれまたご奇特な(危篤ではないはず)方にしか用事のない話ですいません。

Rule Against Perpetuityって、ナニそれという人がここを読むとは思えないが、自己流の極端な抽象化をすれば「イイカゲンにしなさい」(関西風)という突っ込みの原理だろうと勝手に理解している。具体的に示せればいいのだが、それができないというか難しいということが本題である。Ruleの内容は次のとおり。

No interest is good unless it must vest, if at all, no later than 21 years after some life in being at the creation of the interest.



内容としては、国際弁護士ヒロ先生のサイトによると次のとおり。

「権利設定時に生きている人の死後21年以内にどのようなことがあっても必ず権利が確定するのでなければ、その権利は設定当初から無効である」

まともな説明はヒロ先生のところでさがしてください。事例問題も含めて説明があるので、分かりやすいです。

以下の説明との関連で重要なのは、おそらく次の2点。
* Property lawで出てくる概念。相続とか信託との関係で問題になることが多い。
* Ruleは上記のとおり比較的シンプルにかけるが、否定形がいくつも出てきて分かりにくく、
   個別具体的な事案との関係での適用は簡単ではない。

僕もLLMのとき(property Lawのコースを取ったから)、NYBarの準備の際には、悩まされたが、結局よくわからない。このルールは難しくてこのルールの適用を弁護士が間違えて、弁護過誤(malpractice)訴訟でも弁護士が有責とされなかったケースがカリフォルニアであった、とのことで、ロースクールの授業で教師がそういうと、みんな受けていた。要はみんな分からんらしい。

ふと思い立って、この、問題のケースを探してみることにした。
googleで、「rule against perpetuity California malpractice」と入れて探すと、Poorman's west/lexisという呼び声も一部(どこだ?)で高いfindlaw.com(無料の会員登録はいるが)で判決も出てきた。会員登録とかなしに原文にアクセスできないか、citationを入れてgoogleで検索すると別のところで見られるようになったので、そちらへのリンクを貼っておく。

Lucas v. Hamm , 56 Cal.2d 583

ケースの詳細は簡単に言うと、ローカル(カリフォルニア版)のRAPの解釈を誤って、遺言の作成をした結果、もらえるはずのお金をもらえなくなった相続人が(検認手続きで権利を否定されそうになり、取り分を減らした和解をする羽目になった)、遺言を起草した弁護士に損害賠償を訴えたということのようだ。

契約関係がない(被相続人が弁護士に依頼しているので、相続人は当の弁護士に対する依頼人ではない)という点は、そういう理屈で訴えを退けるべきどうかは、政策の問題であり、様々なファクターを勘案すべきとしたうえで、ここでは、遺言の作成という、契約関係にない人間に利益をもたらすための文書を、法律専門家の弁護士に依頼しているという依頼の内容に照らして、このような事態により相続人が損害を受けることはほぼ予見可能であり、そのような相続人に損害賠償を認めないのは政策としておかしいとして、この理屈に基づき訴えを退けるべきではないとしている。

しかしながら、被告の弁護士の行った過誤の性質に照らして、依頼人または被害を受けた相続人に対しての責任は否定されている。最初の部分はある意味、議論としても、そりゃそうだよな、という部分だが...

一般論としては、弁護士は、弁護士としての通常(ordinary)のスキルと能力を用いて法的助言等を依頼人に行うが、ミスの一切に責任を負うものではなく、別段の明示の合意がない限り、知見の豊富な弁護士から見ても、合理的な疑いの残る論点については責任を負わないとしている。

そうなるとこのRAPの位置づけが問題になるが、裁判所と法曹界を長らく悩ませた問題、法律家が慣れ親しんだreasoningと異なるreasoningに基づくがゆえに誤りを増産?してきたものである等として(この辺りの罵詈雑言というか何と言うかは原文をご覧アレ)、前記のようなカテゴリーの論点に含まれるとして、通常のスキルと能力の弁護士が通常行使するスキル等を行使できなかったことについては、有責とするのは適当でないとした(このほかの論点もあるが、RAPとは関係なさそうなので略)。ついでに、common lawのままにしておくよりはマシになるだろうと思ってcode化したのも事態を改善していないと、立法府の努力も一刀両断という感じに切って捨てている。

そもそも、原告の相続人が権利を否定されたのは、相当マイナーで確率の低い事態について、考慮すべきところを考慮し忘れたことに基づくようで、そこまで考えないといけないというのは、忘れても仕方ないのではないかという事実関係に対する評価も含まれているようだ。

まあ、弁護士にとっては良いのかもしれないが、いいのか?という気がする。相続という、「濡れ手に粟」的な要素のある話だから、まあ、それほど酷い結論になるとは思えないにしても。

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